静岡温故知新物語・第二章 シゼン・スパークリング甲州とふじやまプロシュートとのペアリング
この地の食に秘められた魅力と誇りを、みなさまに“出会い”としてご紹介するわたしたちの試み「静岡温故知新物語」。
4月1日からは富士山の麓から誇り高きワインとプロシュート(ハム)をピックアップいたします。
富士山ワイナリーは絶滅の危機に瀕した甲州種ブドウを復活させること、ワイン醸造を通し日本の農業やワイン産業を支援し、若年従事者を増やすことを目的に2003年にプロジェクトをスタートさせました。
2004年に世界に通じるワインをという思いとともに100%甲州種のワインが完成。ワイン・アドヴォケート誌のロバート・パーカー・Jr.氏は『こんなにピュアで美しい日本のワインを初めて飲んだ』と絶賛しました。以後多数の海外のメディアで取り上げられ、現在はミシュラン三つ星レストランでも提供されています。
当ホテルがチョイスした「シゼン・スパークリング甲州」はもちろん甲州種100%、シャンパーニュと同じトラディショナル方式で丁寧に造られ、上品で洗練された味わいが特徴です。
見事な酸、芳醇、胸が躍る味、淡麗なフィニッシュ…専門家によるテイスティングノートには多くの賛辞が並び、無論シェフソムリエの藤江も太鼓判を押す秀逸さです。
■ 富士山ワイナリー シゼン・スパークリング甲州
Glass ¥1,900 Bottle \15,000(税込)
物語のもうひとつの主役格は、御殿場市の渡辺ハム工房の「ふじやまプロシュート」。
『美味しいものしか作りたくない』という職人魂でひとりハム造りにいそしむ店主は、御殿場産豚のふじのすそのポークを富士おろしの寒さと乾燥が厳しい冬に仕込み、駿河湾からの湿気を帯びた夏の風にさらし、1年半もの時間をかけじっくりと熟成させてゆきます。
そのため旨み成分のグルタミン酸がスペインやイタリアのプロシュートよりも多く、肉の味の概念を塗り替えてしまうような力強い味が特徴で、わたしたちもすっかり惚れ込んでしまいました。
馴染みのかたちの中に新しい発見がある。
新しい時代のはじまりの乾杯にもふさわしいこれらの逸品が、みなさまの食体験に新たな記憶を刻みます。